短時間正社員とは?
A.「短時間正社員」は労働法上に明確な定義はありません。ただ、一般的に「短時間正社員」は「1週間の所定労働時間が同一事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」のことを示す、正社員の事を指します。
つまり、同じ事業所の正社員に比べて1週間所定労働時間が短い正社員の事を指します。
会社によって賃金や退職金等の規定等は異なりますが、最低賃金法、労働基準法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法、男女雇用機会均等法などの労働者保護の法令は適用されます。ですから、有給休暇も労働法基準に記載されている日数を与えられます。
もちろん時間外労働、深夜労働、休日労働をした場合、会社側は割増した賃金を払わなくてなりません。
また、育児・介護休業法、雇用保険法、健康保険法、厚生年金保険法等は要件を満たしていれば適用されます。例えば健康保険や厚生年金は所定労働時間及び所定労働日数が正社員の4分の3以上である場合は加入できます。
また、雇用保険に関しても週20時間以上の所定労働時間、31日以上雇用が見込まれる場合は加入しなければなりません。
・短時間正社員を選択する上でのポイント
第一に、短時間正社員は上で説明したように、労働時間が短い正社員のことを指すと一般的には考えられています。ところが、法律上明確な定義があるわけではないので、ただ労働時間が短いだけではなく、その他の処遇面でも通常の正社員と格差が設けられている場合があります。
例えば、1時間あたりの給与が少ない、賞与の有無、昇給の有無、退職手当の有無については、事業主は短時間労働者を雇い入れる時に書面の交付等により、明示しなければなりません。
それらの労働時間とは別の処遇面の格差が、どのようなものであるのかに注意することが大切です。
第二に、そうした労働時間以外の処遇面の格差と実際に短時間になることで得られるメリットを冷静に比較して選択することが大切です。