契約社員とは?
A.契約社員とは一般的にはフルタイムで「雇用期間に定めがある」、一時的・臨時的な有期雇用のことを言います。
正社員との大きな違いは「雇用期間に定めがある」ということです。
正社員の場合は雇用期間に定めはありません。「雇用の期間に定めがない」という事は解雇や退職をしなければ労働契約が終了しないことを言います。
反対に「雇用の期間に定めがある」場合は、契約期間が終了したら労働契約が終了することを言います。この期間の定めのある労働者と労働契約を解除する場合のことを雇い止めと言います。
契約社員等はあくまで一時的・臨時的な労働者という位置付けです。しかし、実際には契約社員であるにも関わらず、
実態は「期間の定めのない」労働者のように扱われていることもあります。このように実態と異なった場合には、判例では、
「期間の定めがある」労働者を「期間の定めのない」労働者とみなしています。
例えば、2か月更新を5回から23回にわたり更新されてきた労働者を期間の定めのない労働者として認めた判例です。
(東芝柳町工場事件判例)
さらに、「正社員になれるよ」「ずっと更新されるから」などと期待を持たせる言動があった場合には、一度も更新をしていなくとも雇い止めが無効とされる場合があります。
そして契約社員の採用に際しては多くの場合こうした「期待」を持たせる言動が出ます。
なぜなら本当に一回の契約期間限りで辞めさせるために雇うような場合は少ない上、もし一回きりで辞めさせると明言すると有能な人材を集めることができないからです。
このように、有期雇用でありながら、実態では、契約社員を「期間に定めがない」労働者として扱う場合があります。 その為、一律に契約社員だからといって契約期間の終了と共に労働契約が終了するとは限りません。
また、例え有期雇用でも、育児・介護休業法、雇用保険法、健康保険法、厚生年金保険法等は要件を満たしていれば適用されます。
例えば健康保険や厚生年金は所定労働時間及び所定労働日数が正社員の4分の3以上である場合は加入できます。
また、雇用保険に関しても週20時間以上の所定労働時間、31日以上雇用が見込まれる場合は加入しなければなりません。
・契約社員を選択する上でのポイント
契約の更新の有無に気をつけることが重要です。契約締結時に、交付される契約書に、更新の有無が明示されているはずです。 これに加え、契約を結ぶときに「口約束」でいつ、誰から、どのようなことを言われたか詳細にメモを取っておきましょう。 のちのち契約更新が無かったり、条件が異なった場合に口約束のメモやメールでの連絡の記録などは有力な証拠となる場合があります。