今回は『POSSE』vol.19に掲載された安藤至大さんのインタビュー記事を紹介します。
産業競争力会議や規制改革会議などで労働法制の規制緩和について議論がなされていますが、19号では労働経済学が専門の安藤さんにお話を伺いました。
安藤さんはまず、「優秀な人材を新産業に移動させるために流動化が必要だ」という見解じたいに疑問を呈します。長期雇用であっても離職が容易で、現時点でも労働者が流動化しているのだから、新産業がちゃんとした待遇を提示できず、既存産業との奪い合いに負けていると厳しく批判します。「優秀な人材」は、どの企業からも求められるというのです。
さらに、「仕事のできない人」に対して解雇をしやすくするべきだという意見については、労働政策の目的は生活の安定に置くべきで、雇用の流動化そのものや企業活動の活発化を目的とするのはおかしいと批判しています。
ほかにも、解雇規制緩和への反対論、限定正社員、経営者に人を雇うための資格をつくるべきという議論や、労働組合のありかたなど、労働経済学者の立場からユニークな議論をされています。
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『POSSE』は日本で唯一の若者による労働問題総合誌として、2008年9月に創刊しました。NPO法人POSSEのスタッフが中心となり制作し、これまで19巻を出版、4年目を迎えました。労働・貧困問題をテーマに、現状、政策から文化までを論じています。
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