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奨学金相談について

相談受付

POSSEでは、返済猶予申請や延滞金減免のサポートをしています。現在返済中で経済困難の方、猶予を受けようと思っている方、これから奨学金を受けようと思っている方などからの相談を随時受け付けています。
この他、奨学金制度に関する質問や疑問、困ったことなどがあればご相談ください。

※現在、相談が増加しており、面談の対応等により電話に出られないことがあります。電話がつながらなかった場合、ウェブの専用フォームでのご相談の方が確実に対応できますので、可能であれば、下記専用フォームにご相談内容をお送りください。

TEL:03-6693-5156(受付時間: 土日祝13:00-17:00)
ウェブからのご相談は、以下のフォームにご入力ください。(24時間受付)

https://forms.gle/2TnvUeZTtt5hjsAB6

相談は無料です。個人情報は秘密厳守いたします。

このようなことでお悩みの方はすぐにご相談ください。

・社会人になって返済が始まるが、給料が安く支払っていけるか不安。
・保証人になってほしいと頼まれたが、断りたい。
・子どもの奨学金の連帯保証人になったが、子どもが破産してしまった。
・JASSOや債権回収会社から請求書が届いている。
・裁判所から支払督促が届いている。

奨学金に関するQ&A

JASSOは、3ヶ月以上返還を延滞している人の情報を、個人信用情報機関に登録するとしています(いわゆる「ブラックリスト化」)。本人の個人情報としては、氏名、住所、生年月日、電話番号、勤務先などが登録されます。また、貸与額や延滞状況などの奨学金変換に関する情報も合わせて登録されます。

ブラックリストに登録されてしまうと、クレジットカードが発行されなかったり、住宅などの各種ローンが組めなくなったりします。また、登録された情報は、奨学金の返済が完了した後も5年間は保存されることになっています。

ブラックリスト化は、2008年6月に取りまとめられた報告書の中で、「多重債務化への移行を防止することは、教育的な観点から極めて有意義」として、導入が決定されました。そして、そもそも奨学金の貸与を受けるためには、延滞時にブラックリストに情報が載ることを認める文書「個人信用情報の取扱いに関する同意条項」への同意が必要になりました。2014年3月時点で、3ヶ月以上延滞している人は187,000人いることが確認されており、ブラックリストに情報が載っていると考えられます。
奨学金を延滞すると、

①年率5%の割合で延滞金が課せられます(2014年4月以前に発生する賦課率は年10%です)

②本人、連帯保証人、保証人に対して、文書および電話で督促が行われます。電話での督促は、JASSOおよび債権回収会社が行い、本人の勤務先に連絡が行くこともあります。

③長期間延滞した場合には、返還未済額の全部、利息および延滞金の一括返還の請求が行われ、支払督促(民事訴訟)に移行する旨の通知が届きます。

④それでも支払いが行われない場合は、裁判所に支払督促の申し立てが行われ、最終的には強制執行の手続きが採られます。

⑤合わせて、Q1で触れたように個人情報信用機関に個人情報が登録されます。

申請すれば猶予が認められる人であっても、必要な手続きを取らないと「延滞」していることになり、上記の措置がとられることになってしまいます。支払督促以降の手続きにかかった費用は、返済者(奨学金を借りた本人)の負担になり、通常通りに返済するよりもさらに負担額が多くなってしまいます。

なお、2014年4月に様々な制度変更が行われました。返還の猶予が可能な年数が通算10年(2014年4月までは通算5年)になり、これまでは認められていなかった現時点で延滞している人に対しても返還猶予を過去に遡って適用する措置がとられるようになっています。

返済猶予や延滞金の減免など、使える制度もありますので、困ったら、まずお気軽にご相談ください(相談はこちらから)。
JASSOが実施した調査では、2014年3月時点で、342万4,000人が奨学金を返済しており、そのうちの18万7000人は3ヶ月以上返済が滞っているということが明らかになっています。割合としては、第一種で全体の4.5%、第二種で全体の3.9%の人が、3ヶ月以上返済できていません。

また、延滞者の経済状況の把握を目指した調査では、常勤社員の割合は無延滞者では67.9%のところ、延滞者では36.2%と半減しており、無職・失業中/休職中が15.8%と延滞者の約1/6を占めています。

延滞者のうち、15.1%は収入が1円もなく、19.3%は年収100万円未満だと調査に回答しています。また、年収200万円未満と回答した人も全体の24.0%と、合わせて58.4%に上っています。

主な延滞理由の内容は「本人の低所得」、「親の経済困難」、「本人の失業・無職」など経済的理由が高い傾向にあります。これらデータから分かるように、奨学金を返さない人の大多数が経済的に困難であることがわかります。

また、年収300万円以下という数字はJASSOが行っている返還期限猶予の対象者にあたります。この制度は返還困難な場合に返還期限が猶予されるという制度です。返還が困難とされる事由には「経済困難」があり、「経済困難」として認められるのは年間収入金額が300万円以下の場合です。つまり、延滞者の中の大多数がJASSOの認める返還困難な収入なのです。
JASSOが行っている奨学金には返還期限の猶予制度があります。この制度は、奨学金を返還している本人がJASSOのあげている項目に該当すれば、返還の義務が一定期間免除される制度です。猶予制度を利用するには、猶予を希望する2~3か月前にJASSOホームページ上にある「奨学金返還期限猶予願」を提出する必要があります。この「奨学金返還期限猶予願」は1年ごとに願い出る必要があります。

猶予制度の願い出の事由には、「傷病」、「生活保護受給中」、「入学準備中」、「在学中」、「失業中」、「経済困難」、「その他」があります。
この中で「入学準備中」、「失業中」、「経済困難」、「災害」以外の「その他」に当たるものは最大5年間猶予されます。
経済困難事由として認められるのは、給与所得者の場合、年間収入金額(税込)300万円以下の方です。また、給与所得者以外の場合は年間収入金額(必要経費等控除後)が200万円以下の方です。ただし、この額はあくまで目安であり、収入・所得金額が目安以下の金額でも、本人の世帯人数や収入支出の状況によっては、猶予が認められない場合もあります。
「傷病」、「生活保護受給中」、「その他」の項目に当たる「災害」、「在学中」はその事由が続く限り猶予されます。

ただし、猶予制度を申請したとしても、「入学準備中」、「失業中」、「経済困難」、「災害」以外の「その他」に該当する方は猶予期間が10年間過ぎてしまえば、例えどんなに困難であっても返還をしなくてなりません。3か月以上延滞してしまえば、ブラックリスト化されてしまいます。

その他の猶予の条件、手続方法についてはこちらを参照ください。
日本学生支援機構「返還期限猶予」
2008年度の段階で未返済の奨学金は723億円あります。メディアではよく2386億円という数字が使われますが、これは「延滞債権額」、すなわち延滞者がこのまま奨学金の返還をしなかった場合の合計額であり、実際に返されていない額ではありません。

日本学生支援機構(JASSO)の調べで、延滞者の84.2%が年収300万円未満であることがわかっています。年収300万円未満の返還者はJASSOが認定する「返還困難な者」であり、このような返還者を対象に返還の猶予制度が設けられています(「返還猶予をするにはどうすれば良いの?」を参照)。つまり、未返済額の723億円のうち、経済的な理由で返還できない額は少なくとも609億円あります。

経済的な理由で延滞している返還者はどのような回収強化のための措置をしても返すことができないと考えれば、ブラックリスト化も含めて様々な返済催促のための措置で回収できる額は114億円です。これはおよそ4兆円のJASSOの資金運用額に比べると0.3%にも満たない割合です。

しかし、奨学金の返還率は第一種で96.9%、第二種で96.0%(2014年度分)と非常に高く、民間の金融機関に比べてはるかに高い水準の返還率であると評価する専門家もいます。

#奨学金返せない 「奨学金」という名の債務の帳消しを求めます!

これらを求めてオンライン署名を集めています。

① 現在貸与型奨学金を借りている人全員に対する、債務の帳消し

② 全ての人に教育の権利を実現するための、学費無償化と給付型奨学金の拡充

ご賛同いただけれる方はこちらのページから署名サイト(Change.org)にアクセスしてください。

奨学金Naviとは

奨学金Naviは、NPO法人POSSEの奨学金ワーキングチームによる特設ページです。奨学金ワーキングチームは、日本学生支援機構(旧日本育英会。以下、JASSO)の奨学金問題を中心に、若者の教育と格差・貧困の問題に取り組みます。

いま、奨学金を返せない低所得の若者が急増しています。大学を卒業しても安定した正社員の仕事は少なく、フルタイムで働いたからといって余裕のある年収を得られるわけではなくなっています。労働相談でPOSSEに訪れる若者の状況を見ても、入社して数年を経ても貯蓄のある者は少数です。こうした若者の雇用状況の変化が様々な問題を生み出しています。

奨学金を将来返す自信が持てず、奨学金を借りることを諦めてしまう。奨学金を返せるか不安でバイトに明け暮れ、授業に支障が出てしまっている。経済困難で奨学金を返せなくなり、金融機関のブラックリストに載せられてしまった。その他にも、学生課との窓口でのトラブルや返済猶予の申請の難しさなど、奨学金をめぐる様々な問題が生じています。

そこで、奨学金ワーキングチームは、下記の取り組みを行っています。

  • ①奨学金を返せない人の相談受付・サポート(返済猶予・延滞金減免など)
  • ②奨学金の「ブラックリスト化(※)」停止・給付型奨学金創設に向けた政策提言 ※返済を3ヶ月延滞した者の個人情報を個人信用情報機関に登録する措置。この措置を取られるとクレジットカードやローンが利用不可能になる。
  • ③奨学金や学費に関する情報発信

大学進学を考えている若者・在学中の若者・奨学金を返済している若者の現実の生活から若者自身が問題を提起し、返済に悩む若者をサポートしながら安心して学べる社会を実現することを目指します。


日本学生支援機構(JASSO)の奨学金について

日本学生支援機構(以下、JASSO)の奨学金を利用している人は、2015年度で134万4640人にのぼり、今や大学生の2.6人に1人が利用しています。平均すると1人一ヶ月あたり、第一種(無利子)で5.9万円、第二種(有利子)で7.3万円を借りている計算になります(2010年度)。

もし、第二種の上限である月額12万円を3.0%の利子で4年間借りると、卒業時の借金は総額775万1445円となり、卒業後6ヶ月目から毎月3万2297円ずつ20年にわたって返済を続けなければいけません。この場合、利子だけで199万1445円を支払う計算になります。

本来、奨学金というのは給付型のものを指しますが、JASSOの「奨学金」は基本的に貸与しかなく、世界的には「教育ローン」に分類されるものです。そして、非正規化がすすみ、また正社員になってもブラック企業によって早期離職を余儀なくさせられる若者が増えたいま、奨学金の返済ができないほど経済的に困窮しているケースが急増しています。

書籍の紹介

POSSEに寄せられた奨学金相談事例や奨学金制度の問題点などについては、雑誌POSSE 32号「特集:絶望の国の不幸な奨学金」や、今野晴貴『ブラック奨学金』(2017年)をご覧ください。

POSSE vol.32
雑誌 POSSE 32号 
特集:絶望の国の不幸な奨学金

今野晴貴『ブラック奨学金』

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