私たちは、2つのことを要求します。
① 現在貸与型奨学金を借りている人全員に対する、債務の帳消し
② 全ての人に教育の権利を実現するための、学費無償化と給付型奨学金の拡充
日本の学生が利用する奨学金のほとんどは、日本学生支援機構(以下、J A S S O)の扱う奨学金です。しかし奨学金とは名ばかりで、J A S S Oの扱う奨学金の多くが貸与型、つまりは単なる「借金」なのです。いまでは大学生の3人に1人が、このJ A S S Oが提供する貸与型奨学金を借りています。彼らは卒業と同時に数百万の借金を抱え、社会に出ていきます。
その一方、奨学金を安定して返済できる就職口は減少しています。働く人の4割が非正規雇用で働いている現在、大学を卒業してから安定した職につける保障はどこにもありません。また「ブラック企業」が広がったことで、正社員になったとしても長時間労働やパワハラにより退職に追い込まれて返済に窮する人が増えています。
この状況を前に「学生を支援する」福祉的な役割を担うはずのJ A S S Oは救済措置を拡大するどころか、回収率を引き上げるために民間債権回収会社に委託して取り立てを強化し、滞納者を次々と裁判で訴えています。滞納者は元本に加え高利の「滞納金」を課せられ、いくら返しても元本が減らない「滞納金地獄」に陥ります。これは自己破産件数の増加をまねき、保証人になった家族や親戚にまで「自己破産の連鎖」が広がっています。
学生や保証人の人生を無視した過酷な取り立てがこれからも続けば、若者はますます劣悪な労働に駆り立てられ、心身を壊す人が増えていくでしょう。 また、奨学金の返済は若者に結婚や子育てをためらわせる原因の一つだということが、中央労福協の調査から明らかになっています。若い世代に返済の見込みがない債務を負わせることは、この社会の将来を閉ざすことと同じなのです。
本来、教育は誰にでも無償で提供されるべきものです。誰もが自由に勉強を続けられ、返済に追われることなく人生を歩めるようになれば、それは社会の豊かさにも繋がるはずです。この破綻した奨学金制度にNOを突きつけ、借金に追い詰められることなく教育を受けることのできる社会を私たちで作っていきましょう。
Change.orgのサイトにこちらからアクセスして、署名にご協力ください!
奨学金返せない 「奨学金」という名の債務の帳消しを求めます!
奨学金帳消しプロジェクトは、奨学金という名の債務を抱える若者たちが、自分たちの力でこのシステムを変えるべく立ち上げたプロジェクトです。
NPO法人POSSEやフードバンク仙台で貧困問題に取り組む大学生、奨学金を返済中の20〜30代の労働者(高校教員や外食チェーンの労働者など)が集まり、弁護士などの専門家と連携を組みながら活動しています。プロジェクトには、誰でも参加可能です。ともに奨学金問題を訴えていく仲間を募集しています。参加を希望される方は、以下のメールアドレスに、所属、名前、関心を持ったきっかけをお書きの上ご連絡ください。
メールアドレス: info@npoposse.jp (NPO法人POSSE)