近年の「就活」が、時期的には早期化と長期化、内容的には煩雑化と不透明化を著しく進行させており、それがもたらす金銭的・時間的・体力的・精神的な負担が学生側にのしかかっていることについて、ようやく社会からの関心が高まりつつあります。
そうした「就活」を是正するための提言も、経済団体をはじめ各所からあがり始めてはいますが、具体的な変革の動きはじれったいほど遅々としています。採用する企業側も学生を送り出す大学側も、若者にしっかりと力をつけそれが発揮できる形の体制を整えなければならないのですが、いずれも過去からの慣性に強く支配されており、近視眼的な対処策しかとりえていないことが事態を悪化させています。これは社会の側の責任であり、改善に向けての努力や運動をあくまで追求していかなければならないことは言うまでもありません。
ただ、当事者である若い人たちもまた、現実をしっかり見つめて行動していただきたいと思います。就活サイトはそこに情報を掲載する企業からの収益によって成り立っているのであり、それが流す情報は、応募する側から見れば、ある面では過多に、ある面では過少に、偏ったものになりがちです。それに翻弄されて疲弊してしまったり、漠然とした不安から行動に消極的になってしまったりする若い人たちが数多く存在することを、つらく思います。ですから、業界や企業を選択する際にも、採用されるための準備に際しても、現実を見極め冷静に対処するための方途は身に着けておいてもらいたいと思います。
このサイトは、そのためのひとつの有効な助けになります。現在の仕事の世界には、思わぬところに大きなリスクが潜んでいることもあります。そうしたリスクに怯えるのではなく、きちんと対処できる方法を知っていることが、前に踏み出す勇気をくれます。このサイトは、そうした知恵を与えてくれます。そこから力を得て、若いみなさんが、混迷するこの社会を生き抜き、それを動かしてくれることを願います。