■『POSSE vol.49 特集 ケアの市場化の果てに』
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A5判/192頁/本体1,540円(税込)/2021年11月30日発行
■vol.49目次
「小泉改革以降の新自由主義的な政策を転換する」。2021年秋、岸田首相がそう言って掲げた「新しい資本主義」が注目されている。そこには、「公的部門」で働く人々への「分配」も含まれている。
しかし、2000年代以降、ケアや公共サービスの職場をここまで歪めてきたのは、その責任を国や自治体から営利企業に開放した「市場化」そのものにほかならない。同時に、自治体の内部さえも市場の論理に侵食されていった。この根幹に手をつけず、「分配」だけで何が変わるというのだろうか?
この20年間で市場がケアにもたらした変化を直視することが必要だ。特にケアワーカーたちの労働の現場では、一体何が起きてきたのか。低賃金、長時間労働、非正規雇用、サービスの質の劣化、利用者の虐待、事業撤退、「ブルシットジョブ」、外国人労働者……。保育、介護、教育、児童相談所、保健所などさまざまな分野から検証していく。そこから、ケアをめぐる新しい労働運動を構想していきたい。
◆特集「ケアの市場化の果てに」
座談会 ケアの市場化の20年と、崩壊する介護・保育の現場――労働の視点から福祉現場を再生する展望を描く
小林美希(ジャーナリスト)×松田貴弘(京都民医連事務局長)×後藤道夫(都留文科大学名誉教授)×三浦かおり(介護・保育ユニオン共同代表)
市場化・ICT化によって劣化する教育現場のケア労働
佐藤学(東京大学名誉教授・北京師範大学客員教授)
ブルシットジョブに喰われるエッセンシャルワーク
――公務労働のリアル
上林陽治(公益財団法人地方自治総合研究所委嘱研究員)
在日フィリピン人結婚移民の生活史に現れる「介護の仕事」
高畑幸(静岡県立大学国際関係学部教授)
保育園の需要ピークで「突然閉園」の危機
――労働運動はどう立ち向かうか
三浦かおり(介護・保育ユニオン共同代表)
資本主義社会におけるケアの破壊と「安全」を重視する主体への着目
三家本里実(福島大学経済経営学類准教授)
◆ミニ企画「胎動するジェネレーション・レフト」
絶望の「コロナ世代」から、闘う「ジェネレーション・レフト」へ斎藤幸平(経済思想家・大阪市立大学准教授)×渡辺寛人(POSSE事務局長・本誌編集長)
真の気候正義運動を目指して
――グローバル・サウスとの運動実践から考える
荻田航太郎(Fridays For Future Japan オーガナイザー)
「中絶か帰国か」選択を迫られたスリランカ人技能実習生
――産休・育休の権利行使を支える運動の先に私たちZ世代が目指すもの
田所真理子ジェイ(NPO法人POSSEボランティアスタッフ)
◆単発
坂倉昇平『大人のいじめ』刊行記念対談職場の「いじめ」から見えてくる労働問題の姿
常見陽平(千葉商科大学准教授)×坂倉昇平(NPO法人POSSE理事)
著者解説『リアル労働法』
今野晴貴(POSSE代表)
外国人技能実習制度を廃止するために
指宿昭一(弁護士)×岩橋誠(NPO法人POSSE外国人労働サポートセンター)
シフト制労働の機能と『シフト制労働黒書』
栗原耕平(首都圏青年ユニオン事務局次長)
◆連載
My POSSEノート page11混乱との出会い
土橋幸奈(POSSEボランティアスタッフ)
ラダイトと脅迫状 第4回
豊富な炎の祝福を受けている
萩田翔太郎
父の過労死 会社と闘ってきた10年間 第2回
社会を変えていく人たち
高橋優希
LGBTQと労働運動の交差点 第5回
夢をかなえるハードル
遠藤まめた(LGBT系ユースの居場所「にじーず」代表)
映画のなかに社会を読み解く 第7回
ケアと男性性
西口想(文筆家・労働団体職員)×河野真太郎(専修大学教授)
書店注文は堀之内出版(TEL:042-682-4350 FAX:03-6856-3497)にご連絡ください。
『POSSE』は日本で唯一の若者による労働問題総合誌として、2008年9月に創刊しました。NPO法人POSSEのスタッフが中心となり制作。労働・貧困問題をテーマに、現状、政策から文化までを論じています。
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