年俸制
Q.うちの会社は年俸制です。1年間決まった給料で働くという約束だから、残業代が支払われないのは仕方ないでしょうか?
A.年俸制でも残業代の支払いは必要です。会社に対して、別途残業代の支払いを求めることができます。
年俸制とは
年俸制とは、1年単位で賃金額を決める制度です。ただし、年俸制であっても毎月1回は賃金を払わなけらばならないので、年俸額を12で割って月々支給されます。(14などで割ってボーナス時期は2か月分となるように支給する場合もあります。)
「年俸制だと残業代は出ない」は誤解です 年俸制は、「あらかじめ会社で定められた労働時間(所定労働時間)に働いた分として、その年俸額を支払う」ものです。所定労働時間あるいは法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えて働いた場合は、残業代を支払わなければなりません。
「年俸額に残業代が含まれる」という反論はほぼ認められない 年俸額に残業代が含まれていると認めるには、「残業代部分とそれ以外の賃金部分とが明確に区別されていること」が条件となります。つまり、「○○円の」「○○時間分の」残業代であるかが明示されていなければなりません。
例: ○「月支給額のうち4万円が月20時間分の残業代部分である」 ×「年俸額に残業代を含む」「年俸額に月20時間分の残業代を含む」
残業代が年俸に含まれるとしても、残業代部分が実際の残業時間で計算した残業代を下回る場合には、差額の支払いを求めることができます。
経営者が年俸制について正しく理解せず、残業代が不要と誤解しているところもありますが、労働者が誤解していることに乗じて、残業代の支払いを免れようとしているブラック企業もあります。
残業代の請求に対しては、簡単に応じない会社が大半であると考えられます。また、年俸制の残業代計算は複雑です。年俸制でお困りの方は、残業代請求サポートセンターへご相談ください。